Maya 2023 の新機能

Maya 2023 へようこそ。このリリースの新機能と更新されたワークフローについて、詳しく説明します。修正事項に含まれる技術的な詳細については、『Maya 2023 リリース ノート』を参照してください。

Maya 2023 は、熟練した Maya アーティストと新規ユーザの両方に対して使いやすさが向上しています。完全に改良されたブール演算ツール、新しい Blue Pencil ツール、または下記のリンクで詳細に説明されているその他の改善点をお試しください。また、新しいアプリケーション ホーム ハブ、ゲームの手法が導入されたチュートリアル、ユーザ インタフェースのナビゲートを効率化できる新しい検索機能によって、ユーザ エクスペリエンスが向上しています。

ここ数年間における Maya の進化については、「Autodesk AREA の Maya タイムライン」をご覧ください。

その他の新機能

本リリースの主な新機能の詳細については、上記のカードのいずれかをクリックしてください。本リリースの Maya には、次の新しい改善点が含まれています。

アトリビュート エディタ(Attribute Editor)のタブをピンで固定(Pin Tab)

アトリビュート エディタ(Attribute Editor)の新しいタブをピンで固定(Pin Tab)アイコンにより、複数選択が必要なワークフローが簡略化されます。 をクリックすると、シーン内で別の選択を行う場合でも、選択したタブをロードしたままにすることができます。

deformerEvaluator の改善点

メッシュ情報(Mesh information)選択したノードのステータス(Selected Nodes Status)、およびクラスタ(Clusters)レポートからの出力が改善され、情報が読みやすくなりました。

メッシュ情報レポートのスクリプト エディタ出力: A.クリーンアップ前、B.クリーンアップ後

カラー管理

Maya は、カラー管理を実現するために OpenColorIO v 2.0.1 と統合されました。このバージョンでは、前バージョンのいくつかのバグが修正されています。

さらに:
  • ファミリにカラー スペースを割り当てる設定ファイルを使用している場合は、ファミリを使用して、Maya インタフェースのサブメニューにカラー スペースを整理できます。ただし、Maya とともにインストールされる設定ファイルではこの機能が使用されないことに注意してください。
  • カラー管理(Color Management)プリファレンスで、OCIO 環境設定パス(OCIO Config Path)の右側にあるドロップダウン矢印をクリックして、新しいシーンに使用する既定の設定、以前のシーンに使用する設定、最近使用した既定以外の設定をすばやく選択できるようになりました。また、ファイルの参照もすばやくできるようになりました。
  • カラー チューザ(Color Chooser)からカラー管理(Color Management)チェックボックスが削除されました。代わりに、カラー スペースの混合(Mixing Color Space)ドロップダウン メニューからデータ(Data)を選択できます。データ(Data)を選択すると、未処理のカラー値が数値として格納されます。スウォッチやその他のカラー コントロールにビュー変換が適用されることはありません。
  • ファイル テクスチャ ノードの新しいビューを反転(Invert View)オプションを選択すると、ビュー変換が反転されてテクスチャのカラー値に適用されます。この機能には、ビュー変換が適用されて表示された後に元のカラーが生成されるなどの利点があるため、イメージ プレーンがバック プレートとして使用される場合に便利です。

    このオプションをオンにすると、ビュー(View)オプションが表示され、反転する特定のビュー変換を選択できます。通常、この設定はカラー管理プリファレンス(Color Management preferences)で設定したビュー(View)と同じにする必要があります。

    ビューを反転(Invert View)オプションを使用できるのは、OCIO v2 設定ファイルを使用していて、カラー スペース(Color Space)がディスプレイ ファミリ内のスペースに設定されている場合のみです。特に、Maya 2022 より前に作成されたシーンとの互換性を維持するために Maya の旧式(Maya-legacy)の設定を使用する場合は設定できません。

コンテンツ ブラウザ アイコンの更新

コンテンツ ブラウザのアイコンが更新されました。

コンテンツ ブラウザのアイコンは、以前はスカルプト(Sculpting)シェルフにしか表示されませんでしたが、ポリゴンのモデリング(Poly Modeling)シェルフにも表示されるようになりました。さらに、スカルプト(Sculpting)シェルフの以前のコンテンツ ブラウザ(Content Browser)アイコンが更新され、ポリゴンのモデリング(Poly Modeling)シェルフと同じアイコンが使用されるようになりました。

このアイコンは、コンテンツ ブラウザのエントリ(ウィンドウ > コンテンツ ブラウザ(Windows > Content Browser))の横にあるウィンドウ(Windows)メニューにも表示されます。ウィンドウ > 一般エディタ(Windows > General Editors)メニューから移動しました。

コンポーネント エディタ(Component Editor)の自動正規化(Auto Normalization)メニュー

コンポーネント エディタ(Component Editor)の下部にある自動正規化(Auto Normalization)メニュー

新しい自動正規化(Auto Normalization)メニューがコンポーネント エディタ(Component Editor)に追加されて、正規化のオン/オフを切り替えられるようになるとともに、エディタに skinCluster ノードの normalizeWeights アトリビュート値が表示されるようになりました。

これにより、選択したすべての skinCluster ノードにこのアトリビュートの値を同時に設定することができます。詳細については、「コンポーネント エディタ(Component Editor)のメニューとタブ」を参照してください。

Substance プラグインの更新

Maya 2023 には、新しい Substance Engine 8.4.2 を使用する Substance 2.2.2 が付属していて、マップにワークフローを適用する機能の強化、Arnold 7.1.0.0 のサポート、MEL スクリプト コマンドの改善、その他のバグ修正が含まれています。更新の詳細については、http://www.autodesk.com/maya-substance-docs を参照してください。

FBX 書き出しオプション

FBX 書き出しオプションに、ヒストリ(History)チャネル(Channels)エクスプレッション(Expressions)コンストレイント(Constraints)という 4 つの新しい組み込みオプションが追加されました。また、以前はコマンドを通じてのみ使用できた入力ノードの書き出し機能が公開されました。

ホーム ボタンを非表示にする

新しいプリファレンスと環境変数を使用して Maya のホーム ボタン を非表示にすると、誤ってクリックしてしまうことを防止できます。インタフェース(Interface)プリファレンスのホーム画面(Home Screen)セクションにあるメニュー バーにホーム アイコンを表示(Show Home icon in menu bar)をオフにするか、環境変数 MAYA_NO_HOME_ICON を 1 に設定します。

注: このオプションをオフにすると、ホーム アイコンとともに表示されるクラッシュ修復メッセージも表示されなくなります。代わりに、スクリプト エディタに送信されます。

クラッシュの修復操作の改善

クラッシュの修復(Crash Recovery)ダイアログが改善され、クラッシュ修復後のシーン ファイルとクラッシュ ログのリンク、および Maya をすぐに開き直すためのオプションが提供されるようになりました。

また、ファイル(File)メニューの下部に表示される最近使ったファイル(Recent Files)のリストに、クラッシュしたファイルを修復するのに役立つ 2 つの新しいデータ ポイントが追加されるようになりました。

  • クラッシュ前の最後のファイル名
  • 最後に保存されたファイル名

最近保存したファイルを開く」を参照してください。

スクリプト エディタ(Script Editor)タブの MEL または Python アイコン

スクリプト エディタ(Script Editor)タブに、言語を示す MEL または Python のアイコンが表示されるため、選択しなくても MEL タブと Python タブを見分けることができます。

ノード エディタ(Node Editor)のディスプレイの改善点

ノード エディタ メニューのディスプレイ(Display)メニューに、単位変換ノード(Unit Conversion Nodes)という新しいオプションが追加されました。これにより、ノード グラフで単位変換ノードを非表示にすることができます。単位変換ノードは、同じ単位タイプではない要素を接続することでグラフが煩雑になり、ノードのレイアウトが破壊される可能性がある場合に表示されます。

コネクタ上の紫の二重矢印は、非表示の単位変換ノードが存在することを示します。このオプションは既定でオフになっているため、ノード エディタのグラフ ビューに単位変換ノードは表示されません。

比較: 単位変換ノード オプションのオフおよびオン

Rokoko は Autodesk App Store で入手可能

Maya で Rokoko を使用する場合に、Autodesk App Store からダウンロードできるようになりました。

セキュリティに関する更新

Maya がセキュリティ イベントのログを書き出す場所をセキュリティ プリファレンスでカスタマイズできるようになりました。また、埋め込まれた MEL スクリプトでグローバル プロシージャを定義可能にするかどうかも指定できます。

新しい MAYA_SECURE_OPTOUT 環境変数を使用して、セキュリティ警告メッセージを非表示にできます。

単純なピボットの修正

高さのベースライン(Height Baseline)アトリビュートを使用すると、ジオメトリ ピボット ポイントをすばやく再配置できます。高さのベースライン(Height Baseline)を使用すると、ノード エディタ(Node Editor)のクリエータ(Creator)ノードまたはアトリビュート エディタ(Attribute Editor)のシェイプ(Shape)タブから、ジオメトリの既定の中心点を直接移動することができます。

高さのベースライン(Height Baseline)アトリビュートを使用して、既定の中央ピボット ポイントを -1 および +1 に再配置した立方体。

高さのベースライン(Height Baseline)アトリビュートの既定値は 0 で、ジオメトリの中心です。値 -1 は底面、+1 は上面を表します。詳細については、「ピボット ポイントを変更する」を参照してください。

ノード エディタ(Node Editor)の高さのベースライン(Height Baseline)アトリビュート

ビューポート内のライト数が無制限

シーンをレンダリングするときに使用されるライトの最大数が無制限になりました。詳細については、「ビューポート 2.0 オプション」を参照してください。