土木工学では、さまざまな摺り付け曲線を使用して、接線間、円曲線間、さらには曲率の異なる 2 つの曲線間に円曲線と横断勾配摺り付けを漸次的に挿入します。
他の接線や曲線との関係で、各緩和曲線は、始点側緩和曲線または終点側緩和曲線のいずれかになります。
緩和曲線の設計と設定で最もよく使用されるパラメータは、L(緩和曲線の長さ)と R(円弧の半径)の 2 つです。
次の図に、緩和曲線のさまざまなパラメータを示します。
緩和曲線パラメータ | [注釈] |
i1 | 緩和曲線 L1 の中心角(緩和曲線角度) |
i2 | 緩和曲線 L2 の中心角(緩和曲線角度) |
T1 | IP から TS までの総接線距離 |
T2 | IP から ST までの総接線距離 |
X1 | SC から TS までの接線距離 |
X2 | CS から ST までの接線距離 |
Y1 | SC から TS までの接線オフセット距離 |
Y2 | CS から ST までの接線オフセット距離 |
P1 | シフトされた曲線 PC の初期接線のオフセット |
P2 | シフトされた曲線 PT の初期接線のオフセット |
K1 | TS からシフトされた PC の横座標 |
K2 | ST からシフトされた PC の横座標 |
LT1 | 始点側緩和曲線の長接線 |
LT2 | 終点側緩和曲線の長接線 |
ST1 | 始点側緩和曲線の短接線 |
ST2 | 終点側緩和曲線の短接線 |
他の緩和曲線の設定パラメータ | |
A1 | 値 A は、緩和曲線の長さと半径の積の平方根に等しくなります。緩和曲線の平坦度の測定単位です。 |
A2 | 値 A は、緩和曲線の長さと半径の積の平方根に等しくなります。緩和曲線の平坦度の測定単位です。 |
公式
卵形曲線は、半径が異なる 2 つの円弧間の摺り付けを提供します。単純な緩和曲線と同様、これにより、曲率関数の連続が可能となり、横断勾配摺り付けにスムーズな摺り付けを導入できます。
AutoCAD Civil 3D ではいくつかの緩和曲線タイプがサポートされていますが、最もよく使用される緩和曲線タイプはクロソイド曲線です。クロソイド曲線は、高速道路と鉄道の両方で世界的に使用されています。
スイスの数学者 Leonard Euler によって最初に研究がなされたクロソイド曲線は、曲率が一次関数であり、緩和曲線と接線との接点では長さの関数として曲率は 0 (ゼロ)度です。曲率は、緩和曲線が隣接する曲線との接点でその曲線と等しくなるまで直線的に増加します。
このような線形は、接線と曲線が円曲線の始点(PC)で行うように、位置関数とその一次導関数(ローカル方位角)の連続を実現します。しかし、単曲線とは異なり、これは高速で重要になる二次導関数(ローカル曲率)の連続を維持します。
公式
クロソイド曲線は次のように表すことができます。
緩和曲線の平坦度
緩和曲線によって限定される角度
接線-緩和曲線ポイントからの緩和曲線-曲線ポイントでの接線距離
接線-緩和曲線ポイントから緩和曲線-曲線ポイントまでの接線オフセット距離
クロソイドを使用する代わりに、5 次放物線のブロス緩和曲線を摺り付けとして使用できます。この緩和曲線がクロソイドより有利な点は、シフト P が小さいため、摺り付けが長く、緩和曲線拡張(K)が大きくなるところです。これは、線路の設計においては重要視される性質です。
公式
ブロス緩和曲線は次のように表すことができます。
他の式
接線-緩和曲線ポイントから緩和曲線-曲線ポイントまでの接線距離
接線-緩和曲線ポイントからの緩和曲線-曲線ポイントでの接線オフセット距離
この曲線は、曲率が一定のコースを表し、接線の偏角が 0 度から 90 度の摺り付けに利用できます。ただし、正弦曲線は、通常の緩和曲線よりも勾配が急で、作表や杭による区画が困難なため、あまり広く使用されていません。
公式
正弦曲線は、次のように表すことができます。
r は任意のポイントの円曲線の半径です。
この計算式は、日本の線路の設計でよく使用されます。この曲線は、(動力性能に関して)小さい偏角で曲率の変更の効果的な推移が必要な場合に便利です。
公式
サイン半波長逓減曲線は、次のように表すことができます。
と x は曲線上の始点から任意のポイントまでの距離で、(延長された)最初のターゲットに沿って計測されます。X は摺り付け曲線の終点での合計 X です。
他の式
接線-緩和曲線ポイントから緩和曲線-曲線ポイントまでの接線距離
接線-緩和曲線ポイントからの緩和曲線-曲線ポイントでの接線オフセット距離
3 次曲線は、収束が 3 次緩和曲線ほど急速ではなく、鉄道や高速道路の設計で一般的に使用されています。
公式
3 次曲線の最小半径
3 次曲線の任意のポイントの半径は次のようになります。
3 次曲線は、次の場合に r が最小になります。
したがって、 となります。
3 次曲線の半径は、24 度 5 分 41 秒で無限から に減少し、それ以降は再び増加します。このため、偏角が 24 度より大きくなると、3 次曲線は有用でなくなります。
この摺り付けは、日本での要件に合わせて開発されたものです。小さい偏角または大きい半径に対応することが必要な状況で使用するために、クロソイドに似た曲線がいくつか開発されました。これらのうち、日本で設計用に使用されているのが 3 次曲線(JP)です。
公式
3 次曲線(JP)は次のように表すことができます。
X = 接線-緩和曲線ポイントから緩和曲線-曲線ポイントまでの接線距離。
この公式は次のように表すこともできます。
は緩和曲線の中心角(図中の i1 と i2)です。
他の式
接線-緩和曲線ポイントから緩和曲線-曲線ポイントまでの接線距離
接線-緩和曲線ポイントからの緩和曲線-曲線ポイントでの接線オフセット距離
双 2 次式(Schramm)曲線は、垂直加速度の値が小さい曲線です。これらの曲線には、曲線の長さの関数によって半径が異なる 2 次曲線が 2 つあります。
単純な曲線の公式
最初の曲線の曲率
の場合
2 番目の曲線の曲率
の場合
この曲線は、摺り付け曲線のユーザ定義の長さ(L)で指定します。
複心曲線の公式
最初の曲線の曲率
の場合
2 番目の曲線の曲率
の場合