概要 - AutoCAD Civil 3D と Autodesk InfraWorks 360 間でのデータ交換

ローカルの Autodesk InfraWorks 360 モデルまたは InfraWorks 360 から書き出した IMX ファイルを参照することにより、InfraWorks 360 データを AutoCAD Civil 3D に読み込むことができます。 AutoCAD Civil 3D DWG ファイルにデータ ソースとしてリンクすることにより、InfraWorks 360 データを AutoCAD Civil 3D に読み込むことができます。

データ交換ワークフロー

InfraWorks 360 を使用して概念的な設計を作成した後、AutoCAD Civil 3D モデルを InfraWorks 360 に読み込んで詳細な設計を作成することができます。更新された設計を InfraWorks 360 内から参照する場合は、データ ソースとして AutoCAD Civil 3D 図面にリンクすることができます。

または、AutoCAD Civil 3D でプロジェクトを開始した後、設計プレゼンテーションを作成する際にプロジェクトを InfraWorks 360 に読み込むことができます。

InfraWorks 360 を使用して概念的な設計を作成する

InfraWorks 360 で作成された設計道路

AutoCAD Civil 3D でモデルを開き、AutoCAD Civil 3D に読み込むデータを選択します

InfraWorks 360 設計道路を AutoCAD Civil 3D に読み込む際に作成された線形

AutoCAD Civil 3D を使用した詳細設計を作成する

AutoCAD Civil 3D で線形と縦断から作成されたコリドーおよびコリドーの上部サーフェス

InfraWorks 360AutoCAD Civil 3D 図面を開いてデータを設定する

AutoCAD Civil 3D のコリドー サーフェスを InfraWorks 360 に読み込む際に作成された地形モデリング

コリドーで使用される AutoCAD Civil 3D リンク スタイルを InfraWorks 360 に読み込む際に作成されたカバレッジ

AutoCAD Civil 3D 図面を InfraWorks 360 に読み込む方法については、「概要 - AutoCAD Civil 3D とのデータ交換」および「AutoCAD Civil 3D データを InfraWorks モデルに追加するには」を参照してください。

アプリケーションの要件

Autodesk InfraWorks 360 データを AutoCAD Civil 3D に読み込むため、 InfraWorks 360AutoCAD Civil 3D と同じコンピュータにインストールする必要はありません。 ただし、ローカルの InfraWorks 360 モデル(SQLite ファイル)を開くオプションは、InfraWorks 360 が同じコンピュータにインストールされている場合のみ使用できます。InfraWorks 360 をインストールしていない場合は、InfraWorks 360 から書き出した IMX ファイルを使用して AutoCAD Civil 3D データを InfraWorks 360 に読み込むことができます。

InfraWorks 360 では、AutoCAD Civil 3DInfraWorks 360 と同じコンピュータにインストールしている場合、ローカルの AutoCAD Civil 3D DWG を使用するオプションを利用できます。 AutoCAD Civil 3D をインストールしていない場合は、クラウドから AutoCAD Civil 3D DWG を参照できます。

座標系と単位

InfraWorks 360 モデルと AutoCAD Civil 3D 図面間でのオブジェクトの交換を準備する際は、座標系と単位を設定するときに次の操作を行うことをお勧めします。

オブジェクト設定

オブジェクト設定ファイルは、AutoCAD Civil 3D に読み込む InfraWorks 360 オブジェクトのタイプおよびオブジェクトの設定を指定します。さまざまなシナリオを処理するため、複数のファイルを設定することができます。

定義済みオブジェクト設定ファイルは、次のフォルダに用意されています。

次の定義済みオブジェクト設定ファイルが提供されます。

InfraWorks 360 に読み込み可能な AutoCAD Civil 3D データ

次の表は、AutoCAD Civil 3D に読み込み可能な InfraWorks 360 モデル オブジェクトのタイプと、これらが読み込まれた後の AutoCAD Civil 3D 図面オブジェクトのタイプを示しています。

InfraWorks 360 モデル オブジェクト AutoCAD Civil 3D 図面オブジェクト データ交換に関する注記
地形サーフェス TIN サーフェス
  • 地形サーフェスは AIW_Existing_Ground、AIW_Existing_Transportation、AIW_Proposed_Ground として AutoCAD Civil 3D に読み込まれます。
計画ユーティリティ パイプ ネットワーク(ユーティリティ タイプ = 未定義)
  • InfraWorks 360 の計画ユーティリティは(集排水口やマンホールの代わりに)汎用パイプライン コネクタを備えているパイプラインで、ユーティリティ タイプは未定義になります。
  • ユーティリティ タイプという新しいプロパティが AutoCAD Civil 3D のパイプ ネットワークに追加されました。このプロパティは、InfraWorks 360 から AutoCAD Civil 3D に読み込まれた計画ユーティリティでは[未定義]に設定されます。
  • すべてのパイプは、選択したパイプ カタログ内の最初のパーツを使用して作成されます。
  • すべての構造物は Null 構造物として作成されます。
計画道路 線形
  • 計画道路とは、InfraWorks 360 の[道路を追加]ツールを使用して作成される道路、または既存の条件を反映するデータをモデルに読み込むときに作成される道路です。
設計道路 線形、計画地盤の縦断、現況地盤の縦断(オプション)
  • 設計道路とは、Roadway Design for InfraWorks 360 で作成された道路です。
  • 現況地盤の縦断を作成するオプションは、オブジェクト設定ファイルで指定されます。
交差点 交差点巻き込み部の線形を使用した交差点
  • 次のような場合、InfraWorks 360 の交差点は AutoCAD Civil 3D で交差点ではなく静的な交差点巻き込み部の線形に変換されます。
    • 交差点に 4 つを超えるレグが含まれている場合
    • 交差点がテーパ カーブの巻き込み部で単曲線を使用している場合
    • T 形交差点の中心線が実際に交差しない場合
    • 交差点の道路の同じ側にあるオフセットが等しくない場合(次の図のようにオフセット 1 がオフセット 2 よりも幅が広いような場合)。

排水管ネットワーク パイプ ネットワーク(ユーティリティ タイプ = 排水)
  • InfraWorks 360 の排水管ネットワークは、汎用パイプライン コネクタの代わりに集排水口とマンホールを備えており、ユーティリティ タイプは[排水管]になります。
  • ユーティリティ タイプという新しいプロパティが AutoCAD Civil 3D のパイプ ネットワークに追加されました。このプロパティは InfraWorks 360 から AutoCAD Civil 3D に読み込まれた排水管ネットワークでは[排水]に設定されます。
  • AutoCAD Civil 3D 構造物プロパティでは、マンホールには[グレーチング]プロパティが、集排水口には[格子]プロパティが割り当てられます。
  • InfraWorks 360 の集排水口とマンホールを AutoCAD Civil 3D に読み込む際に使用可能な新しいパーツ カタログが AutoCAD Civil 3D に追加されました。 集排水口およびマンホール(構造物)は、この新しいカタログのインペリアルまたはメートル単位が適用された同様のパーツを使用します。
  • パイプは指定したパイプ カタログで最も近いパイプ シェイプ、マテリアル、サイズを使用します。
  • InfraWorks 360 モデルを AutoCAD Civil 3D で開く際に読み込みという名前のパイプ ネットワーク パーツ リストが作成されます。 このパーツ リストには必要なパーツのみが含まれます。

排水溝 ットワークのデータ交換プロセスの概要については、InfraWorks 360 ヘルプの「Drainage Design の更新情報(ビデオ プレイリスト)」を参照してください。

カバレッジ(地形変更) 3D ポリライン
  • InfraWorks 360 の地形を変更するカバレッジのみが含まれます。
水域 3D ポリライン  
橋梁 3D ソリッド

橋のデータ交換プロセスの概要については、InfraWorks 360 ヘルプの「Bridge Design の更新情報(ビデオ プレイリスト」を参照してください。

注: InfraWorks 360 データから読み込まれ AutoCAD Civil 3D で作成された線形はサイトに割り当てられません。

InfraWorks 360 に読み込み可能な AutoCAD Civil 3D データ

次の表は、InfraWorks 360 に読み込み可能な AutoCAD Civil 3D 図面オブジェクトのタイプと、これらが読み込まれた後のモデル オブジェクトのタイプを示しています。

AutoCAD Civil 3D 図面オブジェクト InfraWorks 360 モデル オブジェクト データ交換に関する注記
TIN サーフェス 地形サーフェス
  • 各サーフェスは InfraWorks 360 の[データ ソース]パネルに一覧表示されます。 InfraWorks 360 に読み込んだサーフェスが他のサーフェスを隠す場合、[サーフェス画層]ダイアログ ボックスを使用して、地形サーフェス画層の順序を調整することができます。これには、[データ ソース]パネルからアクセスできます。
[線形と縦断] [設計道路](水平および垂直ジオメトリ)
  • 中心線タイプの線形のみ設計道路として InfraWorks 360 に読み込むことができます。
  • InfraWorks 360 でスタイル ルールのセットを読み込んで、既定の AutoCAD Civil 3D 線形スタイルに使用することができます。カスタム線形スタイルを使用する場合は、スタイル ルールの作成が必要になることがあります。
  • InfraWorks 360 では設計道路ごとに単一の縦断が使用されます。 AutoCAD Civil 3D 図面で作成した最初の計画地盤の縦断が使用されます。 InfraWorks 360縦断ビュー ツールを使用して縦断ジオメトリを確認できます。
  • AutoCAD Civil 3D オブジェクトから読み込んで InfraWorks 360 で作成した設計道路は、読み取り専用となる場合があります。
  • 最適フィットによる縦断図形InfraWorks 360 に読み込まれません。
コリドーおよびコリドー サーフェス カバレッジおよび地形サーフェス
  • InfraWorks 360 でコリドーを正しく表示するには、AutoCAD Civil 3D で 1 つまたは複数のコリドー サーフェスを作成して InfraWorks 360 に読み込むことをお勧めします(コリドーの上部を表すサーフェスなど)。 コリドー サーフェスは InfraWorks 360 で地表がモデル化されたものです。
  • AutoCAD Civil 3D リンク スタイルは InfraWorks 360 でカバレッジを作成するために使用され、コリダーのマテリアルを示します。 カバレッジでは、舗装などさまざまなコリドー コンポーネントをスタイル設定できます。InfraWorks 360 でスタイル ルールのセットを読み込んで、既定の AutoCAD Civil 3D リンク スタイルに使用することができます。カスタム リンク スタイルを使用する場合は、スタイル ルールの作成が必要になることがあります。
パイプ ネットワーク 集排水口、マンホール、またはパイプライン コネクタを備えているパイプライン
  • AutoCAD Civil 3D 図面内の構造物に[排水管]ユーティリティ タイプが指定されていて、新しいパーツ カタログのパーツを使用している場合、この構造物が InfraWorks 360 に再読み込みされると、新しいパーツ カタログのパーツが割り当てられます。
    • パーツ ファミリとサイズ ID が InfraWorks 360 パーツ カタログ内のパーツと一致する場合は、完全に同じパーツが使用されます。
    • パーツ ファミリとサイズ ID が InfraWorks 360 パーツ カタログ内のパーツと一致しない場合は、既定のパーツが使用されます(最初に検出されたマンホール パーツ)。
    重要: InfraWorks 360AutoCAD Civil 3D の両方でパイプライン コネクタ/構造物に新しいカタログのパーツを使用していて、ネットワークのユーティリティ タイプが[排水管]になっている場合は、両方のアプリケーションで同じパーツが使用されます。
  • AutoCAD Civil 3D 図面内の構造物に[排水管]ユーティリティ タイプが指定されていない場合、パーツは汎用パイプライン コネクタとして作成されます。