Autodesk® CFDの解析効率を継続的に向上させるための取り組みにより、ソルバーのオプションとしてスケーラブル ソルバーを使用できるようになりました。このソルバーは、約 1000 万~ 5000 万要素を含む大規模なシミュレーション用に特別に設計されています。元の従来のソルバーとは異なり、スケーラブル ソルバーは、各プロセスをプロセス/スレッドのハイブリッドとして複数のスレッドで実行できるようにするだけでなく、キャッシュのパフォーマンスを最適化するように設計されています。そのソルバーでは、複数のコンピュート ノードを使用する大規模モデルの解析時間が大幅に短縮されます。単一のコンピュート ノード上の小規模なモデルでのパフォーマンスは、既定の従来のソルバーと同様です。
スケーラブル ソルバーのアーキテクチャは、複数のコンピュート ノードで構成されるプロセッサとクラスタの数が多いシステムに理想的です。標準のネットワーク接続を使用するシステムで適切に機能します。インフィニバンドなど、より高性能の接続を使用すればさらに解析速度は向上しますが、メリットを実現する必要はありません。
スケーラブル ソルバーは次の機能をサポートしています。
次の機能項目はスケーラブル ソルバーでサポートされていません。
スケーラブル ソルバーを有効にするには、次のいずれかの操作を行います。
Autodesk® CFD では、自動的にスケーラブル ソルバーを有効にする次の環境設定オプションが定義されます。
構成オプション |
説明 |
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ソケット/ノード |
通常、計算ノード上のソケット数に設定します。1 つの MPI プロセスが各ソケットで起動されます。 |
コア/ソケット |
通常、これはソケットごとの物理コア数で、MPI プロセスごとに呼び出される計算スレッド数を定義します。 |
ハイパースレッディング |
ハイパースレッディングはアフィニティ設定にのみが使用されます。いかなる作業の実行にも仮想コアはロードされません。 |
アフィニティ |
アフィニティは、各計算スレッドを特定のコアにロックします。これにより、オペレーティング システムが使用するコアを決定する手間を省略できるため、パフォーマンスを向上させることができます。 |
収束の判断基準 |
これは、計算に使用する基準のカットオフを示します。0.01 の値がほとんどの解析に適しています |
時間ステップサイズ |
これは固定の疑似時間ステップ サイズを設定するために使用されますが、使用されることは稀です。 |
表示頻度 |
スケーラブル ソルバーを実行すると、[表示頻度]によって定義された反復間隔で CFD のユーザ インタフェースに結果を送信します。これにより、既定のソルバーと同様に、シミュレーションの計算中に結果を確認できます。 各反復後に結果を送信すると時間がかかるため、スケーラブル ソルバーとユーザ インタフェース間で効率的なコミュニケーションを実現するには、値を 10 に設定します。表示があまりにも速く更新されている場合は、[表示頻度]を 100 まで上げてコミュニケーションを低減できます。これにより、並列パフォーマンスも向上されます。 |
クラスタで使用するスケーラブル ソルバーを構成するには、テクニカル サポートに連絡してください。