概要 - 表示システム

AutoCAD Architecture 2022 toolset の表示システムは、必要な建築オブジェクトの描画回数を 1 回のみにするためのシステムです。そのオブジェクトの外観はこのとき、さまざまなタイプの図面、ビュー方向、または詳細レベルについての表示要件を満たすように、自動的に変更されます。

表示プロパティと表示コンポーネント

AutoCAD Architecture 2022 toolset におけるオブジェクトのビュー依存表示は、表示設定の階層システムにより可能となっています。この階層システムでは、あらゆるシナリオ表示において、すべての種類の建築オブジェクトの個々の表示コンポーネントの表示プロパティ(表示/非表示、レイヤ、色、線種など)が指定されます。

たとえば、ドア オブジェクトに、ドア パネル、フレーム、停止、スイング、ガラスの 5 つの表示コンポーネントがあるとします。(多くの表示コンポーネントは、オブジェクトの物理コンポーネントに対応しますが、スイングなどの一部はそうではありません)。これら表示コンポーネントのそれぞれについて、図面の既定設定によって、関連する表示プロパティが図面タイプに適するように指定されます。ドアの場合、既定の設定により、スイング コンポーネントが平面図ビューと立面図ビューで表示され、3D ビューでは表示されないように指定されます。

優先設定

ある特定のタイプのオブジェクトに対する図面の既定設定は、図面内の同じタイプのオブジェクトすべてに適用されますが、優先設定が有効になっているオブジェクトでは適用されません。たとえば、ある特定のタイプのすべてのドアに関する設定(スタイルの優先設定)を変更したり、個々のドアに関する設定(オブジェクトの優先設定)を変更できます。

既定の表示設定と修正を行う

ユーザが CAD マネージャである場合には、表示システムの構造と表示マネージャについて十分に理解して、独自の表示標準を実装するために、必要に応じて既定の設定を修正したり整理できるようになりたいと考えるでしょう。しかし、特定のビューでのオブジェクトの外観は、[プロパティ]パレットの[表示]タブの値を修正することで、ユーザなら誰でも簡単に変更できてしまいます。

注: [表示]タブを非表示にする(現在非表示の場合は表示にする)には、コマンド ラインで AECCHANGEDISPLAYTABSTATUS コマンドを入力します。

表示コンポーネントを選択したときの[表示]タブ

このタブを使用して表示を変更するには、 ([コンポーネントを選択])をクリックし、オブジェクト表示コンポーネント(ハッチングや境界など)を選択してから、変更する表示プロパティ(色、表示特性、線の太さなど)に新しい値を選択または入力します。

結果はすぐに現在の表示レベルの図面領域に表示され、同じコンポーネントを使用する他の表示レベルに適用できます。また、スタイルやオブジェクトの優先設定を適用するには、[表示コントロール]の値を変更します。